大学における障害学生受け入れの現状  ~2024調査より受験編②~

殿岡 翼  殿岡 栄子  木藤 宗

今回は昨年実施した「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2024」(以下本調査)の結果から、受験時の配慮の詳細について分析します。なお、本調査の大学種別や地方ごとの回答状況、障害別在籍状況、および受験可否と受験時条件、配慮有無については、127号(3月30日発行)をご覧ください。

2024調査の結果、調査対象数 821 校(大学 811 校・大学校 10 校)に対し、回答校数は 381 校で、回答率は46%でした。(なお、日本大学は学部ごとに調査し、2学部が回答しました)前回調査より5校減少しました。

本調査は大学の総意としての回答を求めていて、途中まで回答を入力していても大学の総意(決済)が取れず、最終的な回答に至らなかった大学もあります。このような大学や学生募集停止となった大学は、回答数には含まれていません。

  • ※回答率とは、ある項目の回答数を回答数382(日本大学2学部を含む)で割った数(率・%)です。
  • ※前回比とは、前回と今回の回答率の差(ポイント)です。

受験時条件と配慮の関係(表1)

  • 受験時条件の有無と配慮の有無に着目すると、すべての障害種別で「配慮あり」の大学のうち「条件あり」の割合が最も高くなっています。つまり「合理的配慮はするが、何かしらの条件も付ける、という大学が最も多いということがいえます。
    特に聴覚障害が配慮あり281校のうち条件あり186校(66.2%)、視覚障害が配慮あり272校のうち条件あり179校(65.8%)でこの傾向が強いです。
    一方、知的障害が配慮あり214校のうち条件あり118校(55.1%)となっており、他の障害種別に比べて「条件あり」の割合がやや低めです。
  • また、配慮を行うと決めていても、受験時の条件が未定な大学が各障害で約3割存在します。
  • さらにどの障害でも、配慮なしの大学では、条件未定の割合が非常に高く、6〜7割を占めています。
  • 受験する際には受験可否だけに着目するのではなく、受験時の条件を確認することが重要です。
    また、受験時に実力を発揮するためにも、入学後、学生生活を問題なく送れるようにするためにも大学側と事前相談を行うことが大切です。

どこがちがう? 事前協議と事前相談

  • ・事前協議は、大学が障害学生の状況を見て、入試や入学後にどこまで配慮できるかを検討したうえで、受験可否を判断します。
  • ・事前相談は、大学が受験を認めたうえで障害学生の様子を知るとともに、どのような配慮ができるかを検討するために行われます。

事前協議は障害学生の受験を認めるかどうかが決まっていない状況で行われますが、事前相談は受験を認めた上で実施されます。同じ話し合いの場ではありますが、受験が認められているのと、認められるかどうか分からないのでは、大きな違いです。

表1 受験時の配慮有無と条件

 以下、配慮あり 配慮なし 合計について
 条件あり 条件なし 条件未定 合計の順。

表1-1 視覚障害
条件あり 条件なし 未定 合計
配慮あり 179校 17校 76校 272校
配慮なし 24校 10校 76校 110校
合計 203校 27校 152校 382校
表1-2 聴覚障害
条件あり 条件なし 未定 合計
配慮あり 186校 21校 74校 281校
配慮なし 22校 7校 72校 101校
合計 208校 28校 146校 382校
表1-3 肢体障害
条件あり 条件なし 未定 合計
配慮あり 184校 22校 76校 282校
配慮なし 26校 9校 65校 100校
合計 210校 31校 141校 382校
表1-4 発達障害
条件あり 条件なし 未定 合計
配慮あり 148校 30校 66校 244校
配慮なし 33校 18校 87校 138校
合計 181校 48校 153校 382校
表1-5 精神障害
条件あり 条件なし 未定 合計
配慮あり 145校 23校 66校 234校
配慮なし 27校 19校 102校 148校
合計 172校 42校 168校 382校
表1-6 内部障害
条件あり 条件なし 未定 合計
配慮あり 146校 25校 70校 241校
配慮なし 30校 11校 100校 141校
合計 176校 36校 170校 382校
表1-7 知的障害
条件あり 条件なし 未定 合計
配慮あり 118校 23校 73校 214校
配慮なし 31校 18校 119校 168校
合計 149校 41校 192校 382校

受験時の合理的配慮(各障害種別共通)

  • ここからは受験時の合理的配慮の詳細についてみていきます。大学には受験生から希望があったときに対応可能な方法を、複数選択で回答いただいています。
  • 試験時間の配慮では「1.3倍」「1.5倍」の延長はどの障害種別でもある程度の大学が実施しています。
    ただし前回比でみると「1.5倍」は聴覚障害・精神障害・知的障害でそれぞれ2ポイント減っており、全体として減少傾向にあります。重複障害の学生など、十分な解答時間が確保できないことが懸念されます。
  • 「一般学生と同じ」という選択肢は、受験生が特に延長の合理的配慮を必要とせず、一般学生と同じ時間で試験を受けることができるということにつながります。これについては肢体障害・知的障害の4ポイント増をはじめ、すべての障害種別で増加しています。
  • これとは大きく異なるのが、大学が「一般学生と同じ(時間延長なし)」の選択肢のみを選ぶことで、実質的に延長の合理的配慮を行わないというものです。すべての障害種別で増加しており、特に知的障害で110校 +5ポイント、精神障害で132校 +4ポイントと激増しており、この傾向は、注意が必要です。

表2 試験時間

 以下、障害種別ごとに
 時間延長選択肢:回答数 前回比(ポイント)の順

表2-1 視覚障害
項目 回答数 前回比
1.3倍 151校 -1ポイント
1.5倍 105校 0ポイント
1.5倍以上 26校 -1ポイント
一般学生と同じ 182校 +3ポイント
その他 10校 0ポイント
一般学生と同じ
(時間延長なし)
102校 +3ポイント
表2-2 聴覚障害
項目 回答数 前回比
1.3倍 82校 -2ポイント
1.5倍 56校 -2ポイント
1.5倍以上 19校 0ポイント
一般学生と同じ 239校 +3ポイント
その他 6校 0ポイント
一般学生と同じ
(時間延長なし)
187校 +3ポイント
表2-3 肢体障害
項目 回答数 前回比
1.3倍 139校 -1ポイント
1.5倍 92校 -2ポイント
1.5倍以上 24校 -1ポイント
一般学生と同じ 207校 +4ポイント
その他 6校 -1ポイント
一般学生と同じ
(時間延長なし)
131校 +3ポイント
表2-4 発達障害
項目 回答数 前回比
1.3倍 125校 0ポイント
1.5倍 63校 -2ポイント
1.5倍以上 15校 -1ポイント
一般学生と同じ 195校 +2ポイント
その他 4校 0ポイント
一般学生と同じ
(時間延長なし)
114校 +2ポイント
表2-5 精神障害
項目 回答数 前回比
1.3倍 96校 -2ポイント
1.5倍 56校 -2ポイント
1.5倍以上 17校 -1ポイント
一般学生と同じ 194校 +3ポイント
その他 3校 0ポイント
一般学生と同じ
(時間延長なし)
132校 +4ポイント
表2-6 内部障害
項目 回答数 前回比
1.3倍 96校 -1ポイント
1.5倍 59校 -1ポイント
1.5倍以上 21校 -1ポイント
一般学生と同じ 206校 +2ポイント
その他 3校 0ポイント
一般学生と同じ
(時間延長なし)
137校 +3ポイント
表2-7 知的障害
項目 回答数 前回比
1.3倍 95校 -1ポイント
1.5倍 60校 -2ポイント
1.5倍以上 19校 -1ポイント
一般学生と同じ 174校 +4ポイント
その他 4校 0ポイント
一般学生と同じ
(時間延長なし)
110校 +5ポイント

表3 試験室

  • 試験室の合理的配慮では、多くの大学でどの障害種別でも「別室」での受験を実施しています。肢体障害・知的障害で3ポイント増えるなど、引き続き増加傾向にあります。
  • その他の合理的配慮については前回比はほとんど変化がありませんでした。
  • 「一般学生と同じ」という選択肢は、受験生が特に別室等の合理的配慮を必要としない場合に同室で受けられるということです。すべての障害で増えています。
  • これとは大きく異なるのが「一般学生と同室 (同室のみ)」の選択肢のみを選ぶことで、大学が別室など試験室の合理的配慮を実質的に実施しないというものです。試験時間に比較して数は少ないですが聴覚障害を筆頭にすべての障害で存在しています。

 以下、障害種別:回答数 前回比(ポイント)の順

表3-1 別室
障害種別 回答数 前回比
視覚 241校 +2ポイント
聴覚 208校 0ポイント
肢体 244校 +3ポイント
発達 212校 +1ポイント
精神 212校 +2ポイント
内部 213校 +2ポイント
知的 183校 +3ポイント
表3-2 保健室
障害種別 回答数 前回比
視覚 17校 0ポイント
聴覚 15校 -1ポイント
肢体 20校 +1ポイント
発達 18校 -1ポイント
精神 17校 0ポイント
内部 22校 0ポイント
知的 18校 0ポイント
表3-3 明るすぎない試験室(視覚・発達で回答)
障害種別 回答数 前回比
視覚 70校 0ポイント
発達 57校 -1ポイント
表3-4 ループアンテナの部屋(聴覚で回答)
障害種別 回答数 前回比
聴覚 4校 0ポイント
表3-5 1階の部屋(肢体で回答)
障害種別 回答数 前回比
肢体 227校 +1ポイント
表3-6 洋式トイレに近い部屋(肢体・発達・精神・内部・知的で回答)
障害種別 回答数 前回比
肢体 219校 +1ポイント
発達 148校 +1ポイント
精神 157校 +1ポイント
内部 179校 +1ポイント
知的 139校 +1ポイント
表3-7 一般学生と同室
障害種別 回答数 前回比
視覚 146校 +3ポイント
聴覚 191校 +3ポイント
肢体 162校 +3ポイント
発達 154校 +2ポイント
精神 152校 +2ポイント
内部 152校 +2ポイント
知的 135校 +3ポイント
表3-8 その他
障害種別 回答数 前回比
視覚 6校 -1ポイント
聴覚 2校 -1ポイント
肢体 5校 0ポイント
発達 4校 0ポイント
精神 3校 +1ポイント
内部 6校 0ポイント
知的 1校 0ポイント
表3-9 一般学生と同室
(同室のみ)
障害種別 回答数 前回比
視覚 27校 0ポイント
聴覚 71校 +3ポイント
肢体 15校 0ポイント
発達 24校 +1ポイント
精神 14校 0ポイント
内部 16校 -1ポイント
知的 24校 0ポイント

視覚障害学生への合理的配慮(表4)

  • ここからは各障害別に、合理的配慮の詳細について分析します。今回取り上げる受験時の合理的配慮の項目はごく一部です。調査では非常に多くの合理的配慮に関して大学に調査し、書籍『大学案内2026障害者版』にまとめていますので、受験生の皆さんはぜひ参考にしてください。
  • 視覚障害では、出題方法および解答方法の合理的配慮を取り上げます。
  • 「拡大文字」が出題方法で194校、解答方法で183校と最も多くなっており、視覚障害の合理的配慮の主流として定着していることがうかがえます。
  • (マークシートの代わりに)「文字による解答」と「点字(出題・解答方法)」が次いで実施されていますが、どちらも「拡大文字」の3文の1の大学数にとどまっています。
  • 「対面朗読」による出題、「代筆」や「口述」による解答、「パソコン」による出題・解答は数も少なく、前回比も変化がありません。機器の活用や人的支援により、障害学生が自分に合った受験方法を選択できるよう、これらの配慮の広がりが期待されます。
  • 「一般学生と同じ(他の配慮なし)」とする大学が出題方法で71校、解答方法で72校となっており、前回比も2ポイント伸びています。視覚障害の特性上、出題・解答方法で何も配慮されないことが、その大学を受験できないことに直結するという点で致命的であり、是非とも改善が望まれます。

表4 視覚障害学生への配慮

 以下、配慮方法:回答数 前回比(ポイント)の順

表4-1 出題方法
  回答数 前回比
点字 59校 -1ポイント
拡大文字 194校 +1ポイント
音訳 9校 0ポイント
対面朗読 27校 0ポイント
パソコン 32校 -1ポイント
一般学生と同じ 166校 +3ポイント
その他 6校 0ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
71校 +2ポイント
表4-2 回答方法
  回答数 前回比
点字 59校 -1ポイント
拡大文字 183校 +1ポイント
文字による回答 64校 0ポイント
パソコン 37校 -1ポイント
口述 31校 -1ポイント
代筆 31校 -1ポイント
一般学生と同じ 165校 +3ポイント
その他 13校 0ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
72校 +2ポイント

聴覚障害学生への配慮(表5)

  • 聴覚障害では、面接試験での合理的配慮、および大学入学共通テストのリスニングテストの評価方法を取り上げます。
  • 面接試験での合理的配慮では、「筆談による面接」が117校で最も多く、面接試験での合理的配慮の主流として定着していることがうかがえます。ただ、前回比はわずかながら減少しています。
  • 「手話通訳者」や「パソコン通訳者」の同席を実施する大学が一定数あるのは評価できますがどちらも「筆談」の半数以下の実施に留まっているのが残念です。
  • 「一般学生と同じ(他の配慮なし)」とする大学が127校に上り、前回比も2ポイント増えています。情報保障は本来、大学側が責任を持って整えるべきものであり、学生に準備を求めるのは合理的配慮の趣旨に反します。面接試験では、円滑なコミュニケーションが成立することが基本であり、そのための支援は大学が主体的に提供すべきです。
  • 大学入学共通テストのリスニングテスト評価方法では「点数配慮」を実施する大学が51校である一方「点数減点」とする大学が15校存在しています。
  • 受験しようとする大学で面接試験やリスニング試験がある場合は、実力を正確に評価してもらうために、事前に希望する合理的配慮内容をしっかり伝えていくことが大切です。

表5 聴覚障害学生への配慮

 以下、配慮方法:回答数前回比(ポイント)の順

表5-1 面接試験
  回答数 前回比
手話通訳者の同席 45校 -1ポイント
手書き要約筆記者の同席 26校 0ポイント
パソコン通訳者の同席 24校 0ポイント
筆談で面接 117校 -1ポイント
一般学生と同じ 201校 +2ポイント
その他 35校 +2ポイント
面接試験なし 8校 0ポイント
一般学生と同じ(他の配慮なし) 129校 +2ポイント

 以下、評価方法:回答数 前回比(ポイント)の順

表5-2 大学入学共通テストのリスニングテストの評価方法
  回答数 前回比
点数配慮 51校 +1ポイント
点数減点 15校 -1ポイント
一般学生と同じ 58校 +1ポイント
その他 29校 -1ポイント

肢体障害学生への配慮(表6)

  • 肢体障害では出題方法および解答方法の合理的配慮を取り上げます。
  • 「拡大文字」が出題方法で143校、解答方法で152校と最も多くなっており、肢体障害の合理的配慮の主流として定着していることがうかがえます。
  • 解答方法では「チェックによる解答」「パソコン」「代筆」が次いで実施されていますが「拡大」の2分の1または3文の1の大学数に留まっており、前回比もほとんど変化がないのが実情です。
  • 学生が自分の持つ力を十分に発揮するためには、パソコンや意思伝達装置などの機器の使用、代筆や口述といった補助者の同席など、自分に合った出題・解答方法を選択できるよう、多様な合理的配慮がより多くの大学で可能になることが望まれます。
  • 「一般学生と同じ(他の配慮なし)」とする大学は、出題方法で134校、解答方法で103校にのぼります。他の障害の場合にも言えることですが、この項目の回答数が多いことは、特に合理的配慮を必要としない学生のみを受け入れる姿勢の表れと考えられます。今後、こうした大学がまずは1人でも支援を必要とする学生を受け入れ、実績を積み重ねていくことで、障害学生支援の広がりが期待されます。

表6 肢体障害学生への配慮

 以下、配慮方法:回答数 前回比(ポイント)の順

表6-1 出題方法
  回答数 前回比
パソコン 32校 -1ポイント
拡大文字 143校 +1ポイント
一般学生と同じ 225校 +4ポイント
その他 5校 +1ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
134校 +1ポイント
表6-2 回答方法
回答数 前回比
チェックによる回答 75校 -1ポイント
パソコン 53校 0ポイント
拡大文字 152校 +2ポイント
口述 21校 -1ポイント
代筆 45校 0ポイント
一般学生と同じ 215校 +4ポイント
その他 8校 +1ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
103校 +1ポイント

発達障害学生への配慮(表7)

  • 発達障害では出題方法・解答方法、および面接試験での合理的配慮を取り上げます。
  • 視覚障害や肢体障害と同様に、出題方法・解答方法では「拡大文字」が最も多く実施されています。
  • それ以外の合理的配慮では、チェックによる解答」が「拡大文字」の半数であり、「代筆」「パソコン」「口述」は実施数が少なく、前回比も伸びていないのが実情です。受験者の数は他の障害に比べて非常に多い発達障害ですが、受験時の出題方法や解答方法での合理的配慮の必要性そのものが学生にも大学にも、まだ十分認知されていないのが実情です。
  • 面接の合理的配慮では「質問の内容を理解しやすいように工夫」、「質問の内容を文字で確認」「個別の面接を実施」が一定数の大学で実施されています。これらの対応は、大学側が準備しやすいことが、実施の広がりにつながっているといえます。
  • 一方「パソコン通訳者」「付き添い者」の同席と「小論文などで代用」は実施がまだ少ない現状です。
  • さらに「一般学生と同じ(他の配慮なし)」が133校と依然として多くなっています。
  • 人とのコミュニケーションが苦手だったり、急な変化への対応が難しい学生にとって、面接試験での合理的配慮は、本人の力を十分発揮するために必要で、この認識の広まりが急務です。

表7 発達障害学生への配慮

 以下、配慮方法:回答数 前回比(ポイント)の順

表7-1 出題方法
  回答数 前回比
パソコン 24校 -1ポイント
拡大文字 134校 0ポイント
一般学生と同じ 198校 +2ポイント
その他 3校 0ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
108校 +1ポイント
表7-2 回答方法
  回答数 前回比
文字による回答 39校 0ポイント
チェックによる回答 65校 0ポイント
パソコン 38校 0ポイント
拡大文字 118校 +1ポイント
口述 13校 -1ポイント
代筆 16校 -2ポイント
一般学生と同じ 198校 +2ポイント
その他 4校 0ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
105校 0ポイント
表7-3 面接試験
  回答数 前回比
質問の内容を文字で確認 60校 0ポイント
質問の内容を理解しやすいように工夫 63校 +1ポイント
個別の面接 45校 0ポイント
パソコン通訳者の同席 10校 0ポイント
付き添い者の同席 8校 -1ポイント
小論文などで代用 3校 -1ポイント
一般学生と同じ 203校 +2ポイント
その他 9校 0ポイント
面接試験なし 6校 -1ポイント
一般学生と同じ(他の配慮なし) 133校 +1ポイント

精神障害学生への配慮(表8)

  • 精神障害では、「利用可能な事項」および面接試験での合理的配慮を取り上げます。
  • 「利用可能な事項」では「注意事項の文章での確認」が164校と最も多く実施されており、「耳栓」「注意事項を個別に説明」「パーテーション」が次いで実施されています。
  • 面接試験での合理的配慮では「質問の内容を文字で確認」、「質問の内容を理解しやすいように工夫」「個別の面接を実施」「筆談で面接」が一定数の大学で実施されています。
  • ただしこれらの合理的配慮はどれも前回比に変化がありませんでした。また、一般学生と同じ(他の配慮なし)が118校に上ります。発達障害と同様、精神障害の学生に対する支援の広がりが急務です。

表8 精神障害学生への配慮

 以下、配慮方法:回答数 前回比(ポイント)の順

表8-1 利用可能な事項
  回答数 前回比
注意事項の文書での確認 164校 0ポイント
注意事項を個別に説明 83校 +1ポイント
パーテーション 44校 +1ポイント
耳栓 100校 +1ポイント
その他 6校 +1ポイント
特になし 47校 +1ポイント
表8-2 面接試験
  回答数 前回比
質問の内容を文字で確認 62校 0ポイント
質問の内容を理解しやすいように工夫 60校 +1ポイント
周囲と視線を合わせないよう座席を配慮 31校 0ポイント
個別の面接 54校 +1ポイント
筆談で面接 42校 +1ポイント
付き添い者の同席 8校 0ポイント
小論文などで代用 3校 -1ポイント
一般学生と同じ 188校 +1ポイント
その他 11校 +1ポイント
面接試験なし 6校 -1ポイント
一般学生と同じ(他の配慮なし) 118校 0ポイント

 内部障害学生への配慮(表9)

  • 内部障害では、出題方法と解答方法の合理的配慮を取り上げます。
  • 出題方法・解答方法で「拡大文字」が最も多く実施されています。
  • 解答方法では「チェックによる解答」が「拡大文字」の訳半数の実施で、で「パソコン」や「代筆」等はさらに実施が少ない状況です。
  • 出題方法・解答方法の合理的配慮がどれも前回比に変化がありません。
  • さらに「一般学生と同じ(他の配慮なし)」が出題方法で136校、解答方法で127校で「拡大文字」よりも多くなっています。
  • こうしたことから、内部障害の出題方法や解答方法に関する合理的配慮の必要性そのものの認知が十分でないことがうかがえます。
  • 日によって体調の変化が大きかったり、長時間の座位での姿勢の維持や書字に疲労を感じるような内部障害の学生に対して、配慮が必要であるという認知が広がっていくことが求められます。

表9 内部障害学生への配慮

 以下、配慮方法:回答数 前回比(ポイント)の順

表9-1 出題方法
  回答数 前回比
パソコン 19校 -1ポイント
拡大文字 102校 0ポイント
一般学生と同じ 212校 +2ポイント
その他 1校 0ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
136校 +2ポイント
表9-2 回答方法
  回答数 前回比
チェックによる回答 52校 0ポイント
パソコン 29校 0ポイント
拡大文字 102校 +1ポイント
口述 11校 -1ポイント
代筆 16校 -1ポイント
一般学生と同じ 209校 +2ポイント
その他 1校 0ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
127校 +1ポイント

知的障害学生への配慮(表10)

  • 知的障害では、出題方法と解答方法の合理的配慮を取り上げます。
  • 出題方法・解答方法のどちらも「拡大文字」が最も多く実施されており、これは他の障害と共通しています。
  • 他の解答方法では「文字による解答」が「拡大文字」の半数で「チェックによる回答」が3分の1に留まっています。
  • 「パソコン」や「代筆」「口述」はさらに少ないです。
  • 「一般学生と同じ(他の配慮無し)」が出題方法で101校、解答方法で103校に上ります。
  • 知的障害学生の受験者は年を追うごとに増加しており、受験時の配慮の広がりが望まれます。

表10 知的障害学生への配慮

 以下、配慮方法:回答数 前回比(ポイント)の順

表10-1 出題方法
回答数 前回比
パソコン 26校 -1ポイント
拡大文字 107校 +1ポイント
一般学生と同じ 176校 +4ポイント
その他 3校 0ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
103校 +2ポイント
表10-2 回答方法
  回答数 前回比
文字による回答 31校 0ポイント
チェックによる回答 53校 0ポイント
パソコン 31校 0ポイント
拡大文字 100校 +2ポイント
口述 13校 0ポイント
代筆 15校 -1ポイント
一般学生と同じ 177校 +4ポイント
その他 2校 0ポイント
一般学生と同じ
(他の配慮なし)
101校 +2ポイント